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友だちと 恋愛を始めてしまったら
終わりは いったいどんなものだろう。

いつもノンケ女子に惚れてしまって 1人で赤くなったり青くなったり。
でも絶対に 応えてくれることなんて ないだろうと思うから
逆に安心であったりもする。

でも。
ノンケ女子と始まってしまったら
終わらせるのはどっち?

---

「梅の花が咲いたら 一緒に観に行かない?」

2月の寒いある日に ミサトさんに誘われた。

「それは どういう意味?」
「友だちとして」


「愛している。だから もうやめよう」と言われた後でも
ミサトさんとは 何度も会わなければならなかった。

部活は 3月の合宿を最後に引退することになっている。
だから 練習でも 練習後の部室でも ミサトさんと顔を合わせた。

同期や後輩の前では 友だちどうしを演じなければならないのが
とても煩わしい。

私は未練がましく ミサトさんに寄りかかろうとし
彼女は彼女で まだ私を友だちとして扱おうとしてくれる。

「一緒に行こう」と 誘われたら
即座に「うん、行く」と答える。
その後には必ず「友だちとして」という言葉がついてきた。

一緒にいて 楽しいはずがないのに
一緒にいたいと思うのは 途方もなく厄介で
ひとりになると 情けないくらい涙が出てきた。


大学3年の春。最後の合宿。
フェリーに乗って 九州のとある県に移動。

何も起こらないはずだと思っていた。
意気地のない私は どうせ何もできないと 自分を見下していた。

それなのに 意外なことに先に動いたのは私のほうだ。


合宿の最終日前の晩は 全員が集まって宴会になる。
体育会系だし 当然 酒も大量に飲まれるわけで
宴会場は酔っ払い集団の惨状となっていた。

惨状を抜けて 自分の部屋に戻る。
今回は 女子の4人部屋だったのだが
私が部屋に戻ったとき 既にミサトさんとリツコは寝ていた。
ユミはまだ宴会場でしゃべっていたようだ。
私は空いている布団にもぐりこんだ。

真っ暗ななかで 考えた。
いや、違うな。
考えてなど いなかっただろうな。
考えるより前に 行動した。
ここから先の自分の行動は 強引だった。

私は布団からそっと出て
寝ているミサトさんのほうへ近づいた。
布団をめくって 寝ている彼女を抱き起こそうとした。
寝ていると思ったミサトさんは やっぱり目を覚ましていて
一瞬 私を拒絶するかのように身を縮こまらせた。
体を起こそうとする私に 抵抗するのかと思ったが
そうではなくて 彼女は自分から身を起こしてきたのだった。

部屋の薄暗い灯りでは ミサトさんの表情はわからない。
表情を確認するよりも 私は瞬時に彼女の体を抱き寄せた。
抵抗されても離さないくらい 抱きしめる腕に力をこめる。

声を出されたら終わりなのだけれども。
すぐ隣には(またもや)リツコが寝ているのだし。

抵抗はされなかった。
彼女もまた 強く私を抱きかえしてきた。

彼女の唇に触れながら 肩と腰骨のあたりを撫でてみる。
相変わらず 彼女は華奢だった。
この時 2人だけだったらどうなったのか 容易に想像ができる。
私たちは友だちとは言えない。


部屋に誰かが戻ってくる気配がした。
「ユミが戻ってきた」ミサトさんが囁いた。
体をすばやく離し 布団を頭からかぶった。
ミサトさんは 戻ってきたユミと少ししゃべっていたが
しばらくすると部屋から出て行った。


1人で寝ていると なぜだか ものすごく不安になってきた。
私たちは友だちじゃない。
じゃあ、いったい何なんだろう?

前にも進めず 元にも戻れない。

---

合宿の最終日を 穏やかに過ごしたのが不思議だ。
彼女と私は 何事もなかったかのように接した。

最終日から 同期の女子4人は 車を借りて九州を旅行した。
天気もいいし 1台の車でわいわい言いながら移動するのが楽しくて
桜島の見える公園に着いたときには
鬱々とした気分もなくなり ミサトさんと冗談を交わしたりもできた。

ちょっと休憩しようか ということになり 皆でベンチに座った。
私とミサトさんは 1つのベンチに背中合わせに座った。
背中に彼女の体温と体重を感じながら
青い空に もやもやと立ち上る桜島の噴煙を眺めていた。
私たちは ずいぶん長い時間 そのままじっとしていた。

もしかしたら 友だちとして付き合い続けられるのかも。
そんなことを考えられるようになったら 自分を褒めようと思う。
ミサトさんの背中に寄りかかりながら
あまりの心地よさに 眠ってしまいそうになる。

友だちとしてなら。

---

女だけの九州旅行は あっという間に時間が過ぎて
私たちは帰りのフェリーに乗りこんだ。

神戸行きの旅客船は 夜遅く九州を離れる。
乗ってしまえば あとは寝室で眠るだけなのだが
このまま時間が過ぎるのがもったいなくて
私はなんとなく 起きていた。

ミサトさんもそうだった。
彼女に誘われて 私たちは暗いデッキに出た。

昼間なら観光客が海を眺めたり 写真を撮ったりもするだろうが
真夜中の今は誰もいない。
船のエンジン音が とても大きくて
体の奥まで響いてくるような気がする。

二人だけでデッキへ出ようと誘ったのは
恋人としてじゃなく
たぶん 友だちとして。
それでも 楽しく過ごせたら それでいいのでは、と思う。


他愛ない話が ふと途切れたとき
彼女は 何の気負う様子もなく 私の手を引いて
デッキの端の狭い所まで 連れて行った。

そして いきなり私の両肩を押して
私の背中を壁に押しつけた。




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2012.01.24 Tue l 揺さぶられる日々 l コメント (4) トラックバック (0) l top

コメント

どうしてでしょうか。
私リツコが気になって仕方ないです。
タイミングがいいのか悪いのかいつもその場に居合わせるリツコが。笑

それにしてもアルさんもミサトさんもなかなか大胆というか、展開がいつもドラマチックでハラハラします。
2012.01.24 Tue l ナモ. URL l 編集
はじめまして
初めてブログ読ませてもらいました。ドラマのような展開でドキドキしてしまいました!
「前にも進めず 元にも戻れない。」
この言葉にとても共感しました。
一度恋愛感情を抱いた相手とは、もう“ただの友達”には戻れないですよね…どうしたらいいのかと私も悩んでいます。
続編楽しみにしています(o^^o)
2012.01.25 Wed l kei. URL l 編集
Re: タイトルなし
> ナモさん

ミサトさんも私も 人が見てる横だと 興奮してイイってゆうんじゃないでしょうか。
何を言わせるんですか。
今まで書いてきた 文章のテイストが台無しじゃないですか。
最近、ナモ菌に侵されてます。

リツコはね…本当に隣で眠っていたのだろうかと、今になって冷や汗ものですよ。
彼女のトラウマになってなきゃいいのですが。
2012.01.25 Wed l アル. URL l 編集
Re: はじめまして
> keiさん

どうも初めまして!
読んでくださってありがとうございます。

keiさんもお悩みでしょうか?
私もこの時期は、いろんな事を考えていました。
会わないほうが良かったんじゃないか、と何度も思いましたが、
結局会ってしまったのだし、2人が別々であっても前へ進むしかないんですね。

続編(といってもあと1回で終わらせますが)、楽しみにしてて下さい。
寝不足でマブタ腫れても書きますね。
2012.01.25 Wed l アル. URL l 編集

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