真夏の午後1時。

台風が過ぎ去った後も 大阪はうだるような暑さ。

前日にお酒を飲んでしまったせいか いつものように早起きができず
こんな昼間に走るハメになる。

それでも走らずにはいられない。

だって・・だって・・
あの人が「アルさんと同じ大会に出たい」って言ってくれたから・・・

社交辞令かもしれないけど・・・

でも ほら 同じ大会に出たって
走るスピードが違えば まったく一緒には走れないわけだし。

下手したらスタート前にお話しするだけで
その後はゴールまで永遠に会えないかもしれない。

だから 今のうちから練習をするのだ!
あの人と一緒のスピードで走れるように!

・・・前向きな気持ちはあるものの

摂氏35度のなかで走ったって
少なくとも「歩いてない」といった程度のスピードでしか走れない。

もがくように両手を振り どうにかこうにか走っているが
暑さには勝てない。

意識朦朧とするなかで アルからアル田にバトンタッチ。

===

「アル田さん、来週はいかがですか?」

フジタさんからお茶に誘われ 天にも昇る気持ち。

でも すぐに返信をするのは なんとなく悔しい。
私が返信したのは週明けでした。

「突然ですが 明日でいいでしょうか」

「いいですよ。○時に○○で待ち合わせしましょう。
 アル田さんに会うのを楽しみにしています」

楽しみに・・・
楽しみに・・・

もちろんアル田だって 楽しみです!!

でも。
なぜだか アル田の心は複雑でした。

フジタさんの楽しみって 私の楽しみとは違うみたい。

会っても仕事の話ばかりだし。
仕事の付き合いだから 当たり前か。

複雑な気持ちのまま 翌日になりました。

その日 珍しく業務時間中にフジタさんがメールをくれました。

「今日のお茶なんですが、用事ができてしまったので
 1時間くらいでもいいですか?」

えー?(涙)
せっかくのお茶の時間が たったそれだけ?

それじゃあまりにも短い。

「それなら別の日にしてもいいですよ」

「いえ、後にするとそのまま伸びてしまいそうなので。
 1時間だけと決めて 今日にします」

私はますます複雑な気持ちで
フジタさんが指定した場所に向かいました。

フジタさんは少し遅れて来ました。

「アル田さん、忙しいのにすみません」

「いえいえ、大丈夫ですよ」

フジタさんのほうが はるかに忙しいのでは?

すぐに近くのコーヒーショップに入りました。
1時間と決められていたので 何を話したらいいのかわからない。

フジタさんは私に仕事の質問をしてきました。
それに答えながらも 私はフジタさんの帰りの時間が気になります。

も、も、もう帰ったほうがいい?
ま、まだ大丈夫・・なの?

腰が落ち着かないとは このことか。

結局。
何の話をしたんだかよくわからないままに
1時間が過ぎました。

「もう出ましょうか」

私からそう言って 席を立ちました。

フジタさんをクルマで送ってもよかったのですが
なぜかそんな気持ちになれず
コーヒーショップの前で 別れました。

とても落ち込みました。
せっかくフジタさんに会ったのに
気が沈みました。

やっぱりフジタさんから見れば 私は職場の同僚で
取るに足らない人なのかな。

忙しいのにわざわざお茶に誘ってくれたけれども
私と会って フジタさんは楽しかったのかな。


その後 数週間が過ぎました。
私は相変わらず落ち込んでいました。

そんなある日。

仕事帰りに友人とクルマで出かけました。
数日前に ある店で気に入った服を見つけたので
友人と買いに行ったのです。

服を買った後 店を出て
もう一度 店の中を振り返ったら
見覚えのある女性がいました。

フジタさんでした。
フジタさんが1人で服を見ていました。

私と友人が服を買っている間に
店に来たようです。

あっと思い どうしようかと一瞬迷いましたが
中に入ってフジタさんに声をかけました。

「こんばんは!」

「あ、アル田さん。こんなところで・・」

「友達と服を買いに来たんですよ」

フジタさんが友人にニコッと笑いかけて挨拶しました。

「じゃ、フジタさん、また」

ドキドキしながらも 私から挨拶をして店を出ました。

こんな偶然に会えるなんて。


それから数日して
私は仕事のメールをフジタさんに送りました。

別にわざわざメールを送るような内容でもなかったのですが
どうしても 店で偶然会ったことを話したかったのです。

「フジタ様

 この申請の件については、・・・・

 (中略)

 ではよろしくお願いいたします。

 追伸。
 先日は意外なところでお会いしましたね。」

あくまでも 控えめに。
でも さりげなく先日の邂逅をアピール。

わりとすぐにフジタさんから返信をもらいました。

「アル田様

 例の申請は・・・・

 (中略)

 以上よろしくお願いいたします。

 偶然、仕事帰りに会いましたよね。
 あの人は新しい彼女ですか?

 ではまた会いましょう」


え?

何?

「新しい彼女」?


ドッカーーーン!!!

(アル田の頭上に雷(注:イメージ)が落ちたことによるもの)


業務時間中であるにもかかわらず

アル田はそのメールを閉じることができずに
その場で固まりました。




(そんなアル田に愛のムチを、いや合いの手を)
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2014.08.14 Thu l フジタの人事-仕事のできる女 l コメント (15) l top

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2014.08.14 Thu l . l 編集
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2014.08.15 Fri l . l 編集
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2014.08.15 Fri l . l 編集
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2014.08.15 Fri l . l 編集
No title
 久しぶりに大笑いしました。ありがとうございます。(笑ったのはわたしだけだったりして)

 どんまいアル田。またいいことあるさ。
2014.08.16 Sat l モノクロ. URL l 編集
Re: おおーっ!!(非公開PAさんへ)
> タイトルにあったけど、オチがそこー!!(゜ロ゜ノ)ノと思わず突っ込んでしまいました。

オチ・・だったの・・・フジタさん!
って思わず別方向へ突っ込んでしまいました。
PAさん、ゴルフのPAさんですよね?

フリーズしましたとも。
でも頑張って解凍しました。
2014.08.16 Sat l アル. URL l 編集
非公開Sさんへ
フジタファンのSさんですね。こんにちは。

> あぁ なんてフジタさんは健気で勇敢な女性なのでしょう。フジタさんは、アル田さんからの愛のプッシュをずっとずっとお待ちだったのですよ。

フジタ=健気で勇敢
アル田=臆病で奥手

この勝負、見えてます。

> アル田さん、さぁ 勇気を出してシュートを決めてください。今です!

シュート、空振りにならないか・・・
とりあえず勇気づけてくださるコメント、ありがとうございます。

2014.08.17 Sun l アル. URL l 編集
非公開Tちゃんさんへ
はじめまして。
うわー、ロックさんのところからお越しなんですね!
嬉しいです。

フジタさんシリーズって多いでしょ?
読むの大変ですよね。
コツコツと読んでくださってるなんて・・ありがとうございます。

アル田の行く末は・・暗雲が、いえいえ。
更新が遅めですが、またお立ち寄りください。
2014.08.17 Sun l アル. URL l 編集
Re: ーキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!ー(やいさんへ)
お茶すすり会で 前倒しでお伝えしましたが
こんなことになってました。
アル田はいろいろ悩みが多いのです。

で・・・
肝心な・・・
コメントを非公開にして やいさんが伝えてくれたこと。

あのー 私一人がやきもきしそうなので
とりあえず 私にも(私も!と強調)LINE送ってもらえます?笑

2014.08.17 Sun l アル. URL l 編集
つたんさんとなたんさん
博多の有名なお二人さま、ようこそ。

あ!ありがとうございます。
まさかコメント欄で そんな嬉しいお言葉をいただけるなんて。

ええっと、博多ね・・hakataね・・・
そやな~博多が私を呼んでるな~
毎度毎度すみませんねぇ・・
2014.08.17 Sun l アル. URL l 編集
Re: 愛しのベイベー(Zooさんへ)
そのお店はZooさんのお気に入りでしたよね。
どうでした?

> 先日のアル師匠のように
> 酔って絡んだら
> どうしよう(笑)

ちょ、ちょっと!
何これ?
絡んでませんよ!笑
2014.08.17 Sun l アル. URL l 編集
モノクロさんへ
ええっ?
大笑い!?

>  どんまいアル田。またいいことあるさ。

うう・・ありがとうございまうぅ
2014.08.17 Sun l アル. URL l 編集
拍手コメント非公開さんへ
> 進まない、進まないと思っていたら、急展開!?
> フジタさん、すごい爆弾を投下していきましたね…

ええ、そうなんですよ。
爆弾ですよ、まさに。
この先もいつ破裂するんだか、わからない・・・
2014.08.17 Sun l アル. URL l 編集

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