「アル田さん、かいでみてください」

「は?」

「嗅いでみてください!」

隣りの席からヒロタさんがぐいぐいと私の鼻先に
自分の右腕を押し付けてきた。

「ななな、なんでですか?」

「さっき 制汗剤を試しにつけたんやけどねー
 匂いが気になるんです~」

ぐいぐいと差し出されたヒロタさんの二の腕。
これは いったい何プレイですか?

ヒロタさんは おとなしく引き下がりそうにないので
仕方なく言うがままになった。

真面目な職場で 真面目な仕事時間中に
年下の女性の匂いをかぐアル田。

仕方なく、ですよ。
そう、仕方なく。

「あ~ ほんまやね。この制汗剤、気になるよね」

「でしょう? 私、いつも無香料のを買うんですけど
 これもらったのだから」

ヒロタさんは スッと離れて行ったけれども
アル田の鼻先には彼女の残り香。

仕方なく、ですから。



なぜか ドキドキする。


(ゆらゆらと揺れている場合? しっかりせよ、アル田!)
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2014.08.02 Sat l 今日思うこと l コメント (2) l top

コメント

No title
仕方なく、ですね。
ふーーーーーん。

匂いと記憶が結びついていることもありますね。
街中や店内などで
フとした時に好きだった人の匂いがして
はっとすることがあります。
切なくなったり。

アルさんは無臭ですか?
2014.08.07 Thu l hiro. URL l 編集
hiroさんへ
> 仕方なく、ですね。
> ふーーーーーん。

もちろん「仕方なく」ですよ。
当たり前じゃないですか。

> 匂いと記憶が結びついていることもありますね。
> 街中や店内などで
> フとした時に好きだった人の匂いがして
> はっとすることがあります。
> 切なくなったり。

私は匂いよりも音です。
そのときの風景と音が結びついています。

> アルさんは無臭ですか?

これは実証済みですね?笑
2014.08.09 Sat l アル. URL l 編集

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