きっと この感覚をわかってくれる人がいると思う。

ノンケ女子を好きになってから
縁あって付き合うようになって間もない頃に味わう もどかしさ。

相手の恋愛対象は異性だと知っている。
私はどうひっくり返したって 相手と同じ性。

相手の 私に対する好意は伝わってくるけれども
それがどんな感情なのかどうか 今ひとつ つかめない。

確信が持てない。

---

彼女には 好きだ、という気持ちを伝えていました。
だから 彼女は私の気持ちを わかっています。

私は彼女の気持ちを 言葉では知らされていません。

聞いてみたらいいのだろうけど
そんなことを彼女に 聞ける勇気はありません。

聞いてみれば 
私のことを好きだと言ってくれるはずです。

でも それが友だちとしての気持ちだったらどうしよう。

「あなたは私のことを好きだといってくれる。
 私もあなたのことが好き。 
 でも今のままで、友だちのままでいいじゃない?」


そんなことばかり ぐるぐると頭の中で考えていたら
あやうく 気付かずに見逃してしまうところでした。

彼女の周りには 彼女に近づこうとする男性がいることを。

それに気付くと 私は
まるで虫でも追い払うかのように しっしっと彼らを追い払いたくなりました。

でも 彼女が私の恋人だと断言する勇気もないのです。

私と彼女の間の距離は近いけれども
決してピタリとくっついているわけじゃない。

彼女を誘おうとする彼らの言葉を
彼女のそばで じとっと聞いていることしかできません。

しまいには 彼女に対して
「なんで きっぱり断らないのか」と
文句まで言いたくなるほどです。

情けないな。

でも 仕方ありません。
ノンケ女子を好きになってしまったら
異性に関しては 非常にデリケートな扱いになってしまいます。


1人の男性がいました。
少しだけイケメン風で 年上の女性から好かれそうなタイプです。
彼女より年下で また都合の悪いことに彼女のことを気に入ったようでした。

私は心の中で 声を大にして
しっしっと彼を追い払おうとしました。

・・が、当然 そんな気配が彼に通じるわけもなく。

「○○さーん、今度一緒に飲みに行きましょうよぉ」
「○○さんはどんなタイプが好きなんですかぁ?」

彼はしつこく、しつこく彼女に話しかけてきました。

彼女は別に嫌がる様子もなく
本当に彼と飲みに行ってしまうんじゃないだろうか、と
私をハラハラさせました。

そして 日に日に彼女に近づいてきた彼は
ある日言いました。

「○○さん、彼氏はいるんですかぁ?」

こ、こ、こ、こらー!
な、何を言い出すのか!
そんなことを聞くのは100年早い!!

心の中で 猛々しく叫ぶ私。

しかし実際には 彼女の顔をまともに見ることができず
小動物のように その場で固まる私。

彼女は平然と言いました。
「彼氏? いないよ」

「へぇー そうなんだー。よかったぁ。じゃ、誘ってもいいですね」

もう! しつこいな!
あっちへお行き! しっしっ!


彼がいなくなってから 私は考えました。

「彼氏はいないの?」と 聞かれたから
「いないよ」と答えただけであって
もし「恋人はいないの?」と 聞かれていたら
彼女は何て答えたんだろう・・・?

ふと横を見ると 彼女は私の顔を見ていました。

「”彼氏” は、いないよね」

彼女はそう言うと ニヤッと笑いました。

ニコリと優しい笑顔、ではなくて
2人でちょっとした悪戯をした後みたいに
本当に ニヤッと。

私は心の中で
猛々しく ガッツポーズをとりました。


言葉にはしなくても ひとつずつ
こうやって伝わってくるものを 手に入れていきます。

彼氏はいないけれども 恋人はいるよ。

---

ひとつずつ
彼女との間にあるものを 手に入れては
最初に感じていた もどかしさの固まりの表皮を
1枚ずつはがしていった。

楽しくて 幸せな時間を過ごした。

今はもう 彼女とは離れてしまった。

彼女と付き合いだした頃のことを
なぜか今日 急に思い出した。




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2012.09.07 Fri l 過去にあったこと l コメント (4) l top

コメント

No title
読んでいて、自分の過去の色々な出来事とリンクして、
一挙に切なくなりました。

恋人同士だっていう“前提”は、
男女ならあっという間に手に入れられるものだけれど、
同性同士の場合は、その“前提”に行きついて、
安心できるまでが、果てしなく遠かったりしますよね。

「”彼氏” は、いないよね」に、
思わず一緒にガッツポーズしそうになりました。
2012.09.07 Fri l ♪ねこ♪. URL l 編集
Re: No title
> ♪ねこ♪さん

切なくなったのは ♪ねこ♪さんが過去につらい経験をしているからですね。
新しい恋に落ちそうになるとき 今が満たされているなぁと感じるとき
なぜか突然 過去の人と出会った時のこと 思い出したりしませんか?

きっと♪ねこ♪さんなら そういう感覚もわかっていただけるかと思います。

> 同性同士の場合は、その“前提”に行きついて、
> 安心できるまでが、果てしなく遠かったりしますよね。

そうですね。
相手がノンケ女子だったら やはり果てしなく遠いです。
でも ノンケでもそうでなくても なかなか安心できるところまでは行き着かない。
人と人は難しいです。
2012.09.08 Sat l アル. URL l 編集
No title
この感覚よく分かります。
内緒な二人にだけ分かる微妙な言葉の遣い方。
過去のことをふと思い出すと、
うぉぉぉぉぅと脳のどこかが悶えるような。
お相手が普通の女性の方ならば、
そのようなシチュエーションもまた多いのではないのかと。

初めましての書き込み、
大変失礼致しました!
2012.09.09 Sun l 納. URL l 編集
Re: No title
> 納さん

はじめまして。
この感覚、わかっていただけますか?
となると、納さんも過去にはノンケさんと・・?

なぜ今になって 峻烈に思い出したのか
自分でも謎です。
私も脳のどこかが悶えているのでしょうか?

コメントありがとうございました。またお立ち寄りください。
2012.09.09 Sun l アル. URL l 編集

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